2017.03.25

生き続ける、江戸時代のお屋敷―兒山家(こやまけ)住宅/ナヤ・ミュージアムの会/楽畑

堺では数少ない田園風景が広がる中区の「陶器北」地域。その中に、ひときわ大きなクスノキに守られた瓦屋根のお屋敷の姿が見えてきます。それが、国の登録有形文化財「兒山家(こやまけ)住宅」です。
兒山家がこの地に移り住んだのは400年前の慶長年間。築200年を超えるこの家は、江戸時代後期に分家した「東兒山」です。江戸時代後期の豪農住宅の様式を今に伝えており、「サムライが出てきそう!」といわれるほど。
重厚な外観、その奥には母屋・納屋などの屋根がいくつもつらなり、とても広大なお屋敷です。



■ 参加して、つくって楽しいミュージアム


江戸時代を通じ、大庄屋として代官を勤めていた由緒ある兒山家ですが、時代の流れには逆らえず、平成13年には兒山家住宅に隣接する“本家”が宅地化の影響で取り壊されてしまいました。
この様子を見ていた近隣の主婦の方から、「兒山家のある景観を残してほしい。お手伝いできることはないですか?お掃除だけでもさせてほしい」との申し出が…。
敷地周りや納屋の掃除をしてみれば、次々と当時の生活がしのばれる農具や古民具が出てきました。


足踏み脱穀機(左) 「Made in NIPPON Osaka」表記の縄ない機(中) 松尾さんのお父さんが使っていた机(右)



焼き板もワークショップで製作


兒山家の当主である兒山万珠代さんは、堺の地域歴史研究家の中井正弘さんに、“地域の人とともにつくる博物館”にしたらどうかと提案され、兒山家住宅の納屋を展示室に改装。さらに蔵・納屋などを修復。
見学者は建物を修復したり、古い道具を使って色々なものを生産しています。
こうして他にはない、地域の人と個人が作る『ナヤ・ミュージアム』が生まれたのです。


兒山万珠代さんの妹、「ナヤ・ミュージアムの会」の松尾亨子さん



■ 家は人が住んでこその家


「ナヤ・ミュージアム」のネーミングは、「納屋」を使っていることと、中世堺の豪商達「納屋衆(なやしゅう)」の心でつくっていこう、というところから。
さらに、この田園風景を残そうと、「楽畑(らくはた)」と名づけ、なにわの伝統野菜の普及活動を通して「兒山家住宅と周辺の田園風景保存」に取り組んでいます。


畑の向こうに見える兒山家(通称 東兒山)の屋根



「なにわの伝統野菜」吹田くわいと鳥飼茄子(とりかいなす)


参加者みんなが楽しみながら野菜づくりをし、収穫の喜びを仲間とわかちあう。自然と笑顔が出てくる畑から見おろす風景には、陶器川沿いに建つ兒山家の姿があります。
「家は住んでこその家」を信じ、住民が居住を続けながら建物を維持している兒山家住宅。人が家に住んでいるからからこそ気づく、日常のあれこれ、季節の移りかわり。
家は大切にしてくれる人とともに長生きするものなのだ、と教えてくれているようです。

<行き方>


●兒山家住宅/ナヤミュージアム・・・南海バス 福田中バス停 徒歩10分



堺市中区陶器北1404
tel/fax:072-234-1474
※居宅として利用されていますので外観からの見学をお願いします。

●ナヤ・ミュージアム活動日時:
  13:00~16:00(第2・第4水曜)
  9:30~16:00(月末土曜・毎日曜)
 https://www.facebook.com/nayamuseum/

●楽畑の活動日:
  午前中(土曜日)(雨天の場合は翌日の日曜)
  9:30~12:00 畑塾(第2・第4土曜)
 http://rakuhata.net/