2017.08.16

気持ちの良い海風とアートに囲まれたカフェ―コミュニティカフェ パンゲア

黄金の南蛮船をモチーフにした現代アート作品に包まれたテラスからは、堺旧港のシンボルである龍女神像の横顔が見えます。
ここは堺旧港沿いの船舶関連の工場を改装したカフェ、コミュニティカフェ パンゲア。



■ 堺旧港に現れた、タダモノでは無いカフェ


「お家ごはんが一番飽きないでしょう?」
と、人気のランチは「毎日のおうちごはんを、家庭で出すよりちょっとだけこだわっているもの」で、月ごとに季節のテーマ食材を週替わりメニューで出しています。実は「ちょっとだけ」ではなく、品数といい一品一品の丁寧さといい、スーパーグレードの家庭料理といっていいでしょう。
“コミュニティカフェ”というだけあって、家族連れにうれしいのは、キッズルームがあったり、おもちつきや味噌づくりなど「食」を通じて親子で体験できるイベントが開催されること。こうした食イベントではどこからどうやって食材ができるのか、そのプロセスを教えてくれるのですが、これにはちゃんと意図があります。




■ NPOの活動をもっと身近に感じて貰うために


このカフェを運営するのは、地域で活動する市民を支援するNPO法人「SEIN」。代表の湯川まゆみさんは、前オーナーからの申し出を受けてこのパンゲアを引き継ぎました。



国際ボランティアでアジアの発展途上国の村落開発支援の経験がある湯川さんは、日本人が木の実の熟れ時もわからず、鳥や豚を屠殺することもなく、スーパーで出来上がったものを買うだけの消費者になってしまっていることに気づいたのだといいます。
「便利さを追い求める中、もともとあった食文化を団塊の世代で伝え忘れてしまった。食を通じてのイベントは分断されたものを体験できるイベントなんです。梅干しなんて漬けても1日ではできないでしょう?そこに哲学を感じました」
食イベント以外にも、アート展示やライブ、トーク等のイベントにも会場を提供してきました。NPOと併設されているカフェというのは、湯川さんが当初思い描いていた姿だったのです。
「どうしても重くなりがちなNPOの活動に気軽に接してもらうことや、自分たちと同じ働き盛りの20~30代の人たちと出会う場がほしかった。それと当時はイベントスペースも少なかったので、若い人がチャレンジできる場も作りたかった。失敗しても成功しても周囲の人が暖かかったり応援してくれたお陰だと感じられたら、地域に対して一歩踏み込めるステップになると思うんです」
自然なかたちで「消費者」から一歩踏み出し、社会や食のことに興味を持つ機会ができるカフェ。それが他にはない「パンゲア」の魅力になっています。

<行き方>


●コミュニティーカフェ パンゲア・・・南海本線堺駅 南口から徒歩で約10分
アクセス : http://www.pangea-sein.com/access/index.html



〒590-0895
堺市堺区戎島町5丁9番
TEL : 072-222-0024
営業時間:火曜日:12時~18時
水木金土日:11時~18時
定休日は、月曜日
※お間違えのないようにお願いします♪
http://www.pangea-sein.com