2017.03.29

紙のコミュニケーションをもっと楽しく上質なものに―株式会社羽車(ハグルマ)

あなたは最近、手紙を書きましたか?
今はSNSの時代、携帯ひとつあればいろいろな通信手段があり、ここ数年、手紙とは縁のない生活を送ってきた…という人も多いのではないでしょうか。
手紙を運ぶ封筒を通して、紙のコミュニケーションを豊かに提供し続けている会社が堺市の東区にあります。来年創業100年を迎える老舗の封筒メーカー「株式会社 羽車(ハグルマ)」。「羽」と「車」には、思いのこもった手紙が列車と飛行機を使って大切に届けられるように、とのメッセージが込められています。


2015年に「ハグルマ封筒株式会社」から「株式会社 羽車」と社名を変更。封筒だけでなく、カードや便箋、中には芸術作品ともいえるデザイン性の高い商品を世に送り出していることからも、「封筒の枠を越え、新たな価値の創造へ」という思いが新しい名前に表れています。
その思いは社員食堂の壁やエントランスなど、社内の随所に凝らされたアイディアに見ることが出来ます。

エントランス一杯に描かれた封筒の下には、社員一人一人の誕生日を記載(左)
社員食堂壁面のイラスト。商品が世界各国にはばたくことをイメージしています(右)


■ 手紙文化を、より深くより個性的に


主に企業を対象にした封筒の専門メーカーである「株式会社 羽車」ですが、個人向けに手紙用品専門店「ウイングド・ウィール」を東京は表参道、大阪は心斎橋にオープンさせ、高品質な名刺や招待状・ギフト・ウエディングのための商品を展開しています。海外からの来客も多く、世界に向けて手紙文化を発信する拠点となっています。
「世界と勝負するため、書き心地と風合いにこだわった、日本製の『コットンペーパー(*)』をつくりました。」と教えてくれたのは、企画広報部の炭谷真希さん。
欧米では企業のフォーマルな場面においてコットンペーパーが長く愛用されている理由から。それを持ってニューヨークのギフトフェアに参加し、初出展にもかかわらずデザインや品質に高い評価を得ました。




社内にあるギャラリーで、多種多様な羽車製品を見ることが出来ます

さらに、アートギャラリー「カルタビアンカ」を開設。紙好きが集まる「カルタビアンカ うさぎの会」というコミュニティをつくり、紙に関する様々な「知識」と「センス」を学ぶ場づくりをしているそうです。


「カルタビアンカ うさぎの会」の主催もしている企画広報部の炭谷真希さん


■ 紙を楽しむ「かるた市」で地域活性


毎年開催されている、紙を楽しむイベント「かるた市」も人気です。株式会社 羽車の工場見学や封筒の量り売り、紙に関連するお店を集めるなど、地域の大きな紙イベントになっています。去年は700名もの人が集まりました。


かるた市の様子(左上) かるた市では、熟練した職人のわざと、年代を重ねた貴重な機械を見学できます(右上・左右下)

おしゃれで可愛い「株式会社 羽車」の封筒やカードをみていると、久しぶりに心を運ぶ手紙でも書いてみようかな――そんな気持ちがむくむくとわき上がってくるようです。

*コットンペーパー

原料にコットン(綿)を配合した紙。柔らかで風合いのある質感が特徴。


<行き方>


●株式会社 羽車・・・地下鉄御堂筋線新金岡駅からバスで約15分



〒599-8101
堺市東区八下町3-50
TEL : 072-251-2211
http://www.haguruma.co.jp/