2017.03.21

「すずめ踊り」で結ばれた 堺と仙台

そろいのはっぴに扇子を広げ、おやはしのテンポに合わせて飛びはねる、その姿が粋でカッコイイ!
「すずめ踊り」です。ピョンピョンとはねるさまが、まるで雀のようだと名付けられ、堺でのお祭りやイベントでもみかけるようになってきました。



仙台ではすずめ踊りが盛んで、仙台青葉祭りでは多くの祭連(まずら)が参加し、パワフルに舞い踊る姿を見ることができます。このすずめ踊り、仙台市の小学校では必ず踊るものだとか。そんなすずめ踊りのルーツがなんと堺にあるとの情報をいただき、驚いた我々は早速取材にうかがいました!


■ 堺は「すずめ踊り」の故郷


かれこれ400年以上も昔の話しです。
伊達政宗が築いた仙台・青葉城の石垣工事を担当したのが、堺から呼び集めた石工(いしく)集団でした。慶長8年(1603年)、青葉城の築城を祝う宴席で、彼らが即興的に披露した“はねっこ踊り”が起源とされています。
築城工事にかかわり、お城の構造の秘密を知ってしまった彼らは故郷に帰ることを禁じられ、仙台城下石切町に住みつきました。その彼らの考案した踊りが、仙台の伝承芸能として、今日まで引き継がれてきたそうです。
仙台のYOSAKOIまつりに堺のチームが参加した際に、すずめ踊りと出会いました。堺とゆかりの深いことに感動したさまざまな人々の尽力と思いが合わさって、堺に『堺すずめ踊り連盟』ができました。



すずめ踊りは幼稚園児から年配の方まで楽しく踊ることができるのが、その特徴。曲が短く、振り付けもすぐに覚えられます。即興的な伝統もあるので、趣向を凝らした自由踊りができるのも、おもしろさのひとつ。
3月の大阪天満宮での奉納の舞いをはじめとして、5月には仙台の青葉まつり、そして10月には堺まつりといったさまざまな行事で踊りを披露しています。
練習は公民館や小学校の体育館でやっていて、10の祭連が色んな地区に広がっています。


■ 踊りが結ぶ 強い“きずな”


堺のすずめ踊りが仙台青葉まつりに行き、仙台のすずめ踊りが堺まつりに来る。この年に2回の交流が参加メンバーたちの何よりの楽しみとか。
このすずめ踊りが結んだ縁で、仙台から2ヵ月に一度くらいのペースで踊りを教えに来る人もいるそうです。
あの東日本大震災の「3.11」から6年。東日本大震災の復興を願い踊る堺の人々と、震災を乗り越え、逆に踊りで元気を与えてくれる仙台の人たち。
堺と仙台で共に心を合わせ、歴史を越えて強い絆を結んでいるのが、すずめ踊りの人達なのです。




<すずめ踊り 例年参加イベント>


3月 大阪天満宮
5月 仙台青葉まつり
7月 野田恵美須神社夏祭
9月 方違神社・秋祭
10月 堺まつり(大小路通り)

<行き方>


●方違神社・・・南海高野線 堺東駅徒歩10分、南海バス 方違神社前下車すぐ



〒590-0021 堺市堺区北三国ヶ丘町2丁−2−1
TEL:072-232-1216
拝観料:無料

●大小路通り(堺まつりパレード)
 ・・・南海高野線 堺東駅徒歩10~15分、南海本線 堺駅徒歩10~15分、阪堺線 大小路駅下車すぐ



※堺まつりパレードは、毎年10月 第3日曜開催